半導体の供給不足だけでなく、サンルーフやエンジンなどの部品も不足しており、納車が続けて延期されているという。スマートキーも不足のため、1つだけ支給するケースも発生している。現代アイオニック5、サンタフェ、パリセードとジェネシスGV70、GV80の場合、サンルーフオプションを選択すると追加の遅延が発生するという。
motortrend より抜粋
アイオニック5の場合、注文時から12ヶ月、サンタフェハイブリッドは16ヶ月、GV70は12ヶ月、GV80も最低18ヶ月の納車待ちが基本となっている。サンルーフを追加するとさらに待機期間が長くなる。
現代自動車より抜粋
部品不足の現象は、サンルーフ、エンジン、レーダーをはじめ、タイヤ、シートなど全体的な不足現象が続いている。ソナタ、グランジャー、ツーソンは半導体不足により供給遅延が発生しており、ベニューは後側方レーダーの不足だという。
motortrends より抜粋
サンタフェは3列シートを選択して6/7人乗りを選ぶだけでも納車の追加遅延が発生し、GV80の場合は22インチタイヤの供給不足が原因だ。パッケージ選択によっては最低6ヶ月はさらに時間がかかるという。
forbes より抜粋
起亜の場合も同様だ。起亜K5、K8、ニロ、スポーティジ、ソレント、カーニバルなど主力全車種でECUが不足している。カーニバルはエンジンECUをはじめ、エアバッグ制御関連の半導体も供給が円滑ではないという。K8ハイブリッド、ニロEV、ボンゴディーゼルは最低12ヶ月かかる。ソレントディーゼルとハイブリッドも最低17ヶ月だ。スポーティジハイブリッドとEV6も最低18ヶ月かかる。
現代自動車より抜粋
新型セルトスはスマートキーの不足により、スマートキーを1個だけ支給する予定だ。現代の場合もアバンテとキャスパーのスマートキーを1個ずつ供給している。ロシアのウクライナ侵攻と中国のロックダウンなどが続いているため、半導体不足現象が特定パーツの部品不足にまで繋がっている。
motorroids より抜粋
しかし、一部のモデルでは納車難が緩和される兆しがあるという報道も出た。現代自動車と起亜の納車待ち期間が大型モデルを中心に短縮されているという。まず、起亜の準大型セダンK8（3.5ガソリン）は契約後の納車までの期間が6ヶ月から3ヶ月に短縮された。10ヶ月かかっていたカーニバルガソリンモデルは5ヶ月に短縮された。ソレントハイブリッドも先月の18ヶ月から17ヶ月に1ヶ月短縮された。
現代モーターズグループより抜粋
サンタフェディーゼルは9ヶ月から8ヶ月に短縮され、グランジャー2.5ガソリンが6ヶ月から5ヶ月に短縮された。ソナタ1.6ガソリンは3ヶ月から2ヶ月に短縮され、ジェネシスG90は9ヶ月から8ヶ月に短縮された。一部ではあるが、納車期間が短縮されるのは、グローバルな供給不足以降初めて現れた現象だという。
これは半導体などの部品供給が改善されていることを示している。現代自動車と起亜は急を要する場合、ハンドキャリーを行ったケースもあるという。また、ルネサス、インフィニオンなどの半導体メーカーと直接長期契約を推進したりもした。何よりも、グローバルな自動車用半導体の需給が一部改善されているという。完成車の生産量も増加したという。起亜は第3四半期と第4四半期の予想生産量を70万台中後半とし、第2四半期の60万台後半より約10万台ほど増加した。
改善傾向は第3四半期を過ぎてみないとわからないだろう。景気後退に入れば注文量が落ちる可能性があるため、納車日程はさらに早まる可能性もある。原油だけでなく、銅、ニッケルなどの一部原材料価格も下落傾向を示しており、供給の安定化の兆しが感じられる。